妊娠すると、子宮が胎児の成長とともに大きくなり、横隔膜を押し上げ、心臓や肺を圧迫するようになるため、動悸や息切れといった症状が起こることがあります。
妊娠かな?と思う頃の子宮は、妊娠していないときとあまり大きさが変わらないため、心臓が圧迫されることで動悸や息切れが起こるということは少ないようです。
妊娠すると、新しい生命を育むために、母体の機能に様々な変化が起こってきます。
例えば、赤ちゃんに栄養を送るため、体内を流れる血液量が1.5倍ほどに増加します。
また、心臓から送り出す血液量も1.3~1.5倍になり、心拍数も増加します。
そのため、心臓の負担が大きくなり、脈が速くなり、動悸、息切れが起こるのです。
その他に、妊娠すると、貧血になる人も多く、赤血球数が減少するために動悸を感じる場合もあります。
よくある症状ですが注意も必要です
妊娠中の動悸、息切れは良く見られる症状ですが、別の病気も考えられるため軽視することはできません。
妊娠のため、体内の血液の量が増え、心臓に負担がかかるために起こる「周産期心筋症」の可能性もあります。
その場合、動悸、息切れに加え、全身がだるい、むくみがある、咳がでることもあるとった症状が起こります。
重症化すると死に至ることもあるため、気をつける必要があります。
少し体を休めても動悸が治まらない場合は、早めに受診されてください。
また直ぐに治まる場合でも、健診の際に医師に相談しておく事をお勧めします。